講演テーマ:「腸内環境から考える 太りにくい体を作るメカニズム」
講師:
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 副所長
ヘルス・メディカル微生物研究センター センター長
國澤 純先生
予防未病健康医師協会では、第18回情報交換会を開催いたしました。
國澤先生は腸内細菌研究の第一人者として、免疫や代謝に関わる最新知見を幅広く発信されています。
講演ではまず、腸が免疫細胞の半数以上を抱える最大の免疫器官であり、食事の消化吸収だけでなく免疫調整の中心的役割を担うことが紹介されました。さらに、肥満・糖尿病は単なる生活習慣だけでなく、脂肪組織で起こる慢性炎症が鍵となるという現代的な理解が示されました。
また、腸内細菌が体質を左右する研究として、腸内細菌移植でマウスが肥満化する実験や、日本人に多い「ブラウティア菌」が代謝改善に寄与する点が紹介されました。加えて、食物繊維や発酵食品が腸内細菌の“菌のリレー”を支え、健康に重要な短鎖脂肪酸を生み出す仕組みも解説されました。
質疑応答では、豆乳ヨーグルト、粘膜免疫、花粉症、腸内細菌検査など多岐にわたる質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
今後も当協会では、学びと交流の機会を継続して提供してまいります。

